「ファイバーコア」 バンビ歯科 院長 森川富夫 秋深しですね。 「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」様々ですが、「秋」を堪能されてますか? 私は「スポーツの秋」にどっぷり浸かりすぎて、少々風邪気味です。軟弱者です。 何事も程々ですね。 今回はファイバーコアのお話を。 コアとは歯根の中に埋め込まれた「歯の被せものを支える土台」の事です。 図らずしも虫歯が大きくなってしまい、神経の処置を終えた後、被せもの← 歯科用語ではクラウン、を支える台としてコアを入れます。 コアの材料は従来は金属が主流ですが、金属製のコアは硬く、 「しなやかさ」に欠け、強い力がかかりすぎると、直接歯根に力を伝え、歯根 が割れてしまう事があります。硬いもの大好き、しっかり噛んでいる人に往々見られます。 そこで何年か前から「ファイバーコア」が注目されてきました。 細いグラスファイバー繊維を幾重にも固めた構造で、歯根に近似した、適度な「しなやかさ」 があり、力を吸収することで歯根を壊しにくく、「歯」に優しい材料です。 又セラミックなどの前歯の被せものの時は「ファイバーコア」を土台として使用すれば、 光の透過も歯に近く、とても自然で透明感のある美しい仕上がりになります。 無論、土台「コア」から、被せもの「クラウン」まで一切金属を使用しなくてすみますから、 金属アレルギーの心配もありません。 現時点では歯の土台としては理想的な材料ですが、難点は「保険外」ということと、歴史が浅く、 まだ充分な予後がとれてない事です。 さて、これからは「読書の秋」を楽しみますが、今度は、程々に、しなやかに。 |