講演会に先立ち挨拶した松尾通会長は「ギブ・バック・ア・スマイル運動は、アメリカの審美歯科に携わる方を中心とするボランティア活動で、家庭内暴力、特にパートナーによって歯を折ったり失ったりした人達に無償で治療するという運動であり、間接的にはDVを防ごうという運動につながっている」と述べた上で、今後の学会のあり方について「自分達で勉強するだけでなく、どう社会貢献を行っていくかが大切であり、社会貢献をすることにより歯科医師としての仕事もさらに広がっていく」との思いを語った。
講演に移り、信田氏は金属バット事件に代表される1970年代から90年代の児童虐待など今日に至る家庭内暴力の流れを述べた後−△97年のDVに係わる東京・神奈川・埼玉等の調査結果(成人女性の3人に1人が何らかの形で男性からの暴力を経験)、△夫の暴力による離婚例は一割に満たない、△被害者である女性の殆どが夫から逃げないしDVと認めない、また例えシェルター等に逃げても夫からの連結で元の木阿弥一等々の家庭内暴力の実態を説明した。
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1969年 |
お茶の水女子大学文教育学部哲学科 卒業 |
1973年 |
お茶の水女子大学大学院修士課程修了(児童学専攻)駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所(CIAP)付属原宿相談室長を経て |
1995年 |
12月に原宿カウンセリングセンターを開設、所長として現在に至る。臨床心理士 |
(著書)
「アダルト・チルドレン完全理解」
「愛情という名の支配」
「依存症」 (文春新書:文芸春秋社)など。 |
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