TOP > デンタルピック > つまようじ資料室 > 歯木のいろいろ
 歯木のいろいろ

(株)広栄社 代表取締役社長 稲葉修 著 「楊枝から世界が見える」 から抜粋

木の枝の歯ブラシ、歯木は現在でも多くの国で使われています。インドでは、ニーム・バブール・バシールなどの木、パキスタンではピールウ、サウジアラビアではサルバドラ、アフリカ諸国の多くはクルミというように多彩です。ミャンマーでは竹も歯木(歯竹?)として使われており、まさしく、所変われば品変わるです。


歯木といえば原始的なように思われますが、使われる木は、いづれも薬木で、この樹液の中に含まれるフッ素やタンニンの抽出液を使った練歯磨きも作られています。日本でも、明治の初めまで、この歯木を房楊枝と呼び、使われていたのをご存じでしょうか。


歯木売り


現在でも歯木を使っているインドやアフリカなどでは、伝統的な歯木が道端やスーク(市場)で売られています。棒状の木の枝の一端を噛んでブラシ状にして使うことが一般的ですが、クルミなどの乾燥した木の皮を2〜3センチの幅に切って使うことも多いようです。チュニジアのスークでは、男性用と女性用に分けられた歯木が売られています。エチオピアの歯木は、手の握る部分の樹皮が模様に切り取られ、お洒落に仕上げされています。

前のページへ 次のページへ